２０２０東京オリパラは、エンブレムの盗作問題から始まって、ロクなことがない印象です。そのためか、どうも冷めた目で見ている人も多いのではないかという感じを受けます。それでも選手は奮闘しており、メダル獲得数は過去最多だとか。
そんな躍進に冷や水を浴びせたのは、名古屋市長の河村たかしです。
名古屋 河村市長 ソフトボールの金メダルかみ 批判相次ぐ | メダル オリンピック | NHKニュース
後藤投手から首に金メダルをかけてもらった河村市長は、「重たいなあ」と話した後で突然マスクを外し、金メダルをかじった。後藤投手は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに笑顔で応じた。
市長周辺からも「セクハラではないか。新型コロナウイルスの感染対策上もアウトだ」と非難する声が上がった。 河村市長は4日夜、「最大の愛情表現だった。金メダル獲得は憧れだった。迷惑をかけているのであれば、ごめんなさい」と謝罪するコメントを出した。
これ、謝罪ですか？「迷惑をかけているのであれば」ということは、「迷惑でないからいいだろう！」という居直りとも言えます。写真を見ると分かりますが、如何にもウケ狙い、マスコミを笑わせるためにやっているような印象を受ける表情です。しかも批判を受けた後がこれ
「跡は付いとらん」が…金メダルかじり 河村市長が謝罪（朝日新聞デジタル） - Yahoo!ニュース
パワハラやセクハラとの指摘には「嫌がらせの認識は全くなかった」と話した。「歯が食い込むようなかみ方はしていない。跡は付いとらんと思う」とも述べた。
そういう問題じゃないんだよ。選手のそれまでの努力を踏みにじる行為に対して批判が上がっているという認識が一切ない。そうなれば齧られた選手の所属先、あの泣く子も黙るトヨタ自動車である。
（前略）同選手が所属するトヨタ自動車は5日までに、「今回の不適切かつあるまじき行為は、アスリートへの敬意や称賛、（新型コロナウイルス）感染予防への配慮が感じられず、大変残念に思う。河村市長には責任あるリーダーとしての行動を切に願う」とのコメントを出した。
さすが大企業、大人である。しかし
河村市長 メダル噛み謝罪 トヨタ本社に入れず「車の中でお詫び」市幹部が謝罪文届け（デイリースポーツ） - Yahoo!ニュース
また「先ほど、ご本人様、トヨタ自動車様に対し、私の心からの謝罪文を提出し、皆様の努力とその結晶であるメダルの重さに最大限の敬意を払うことを、かたくお約束させていただいた」と説明した。
トヨタを訪問したのは誰かとの質問には、副市長、スポーツ市民局長、秘書室長だったと説明。
「僕はちょっと離れて。行きましたけど、どういうのか、車の中からお詫びしときました」と語った。
「中に入るというのはちょっとね」と言い、先方から断られたのかと質問されると「お断りというか、あんまりそういう言い方はしたくないですけど、書類を届けてくると、置いてくるということでございますので、気持ちだけお届けに行ったと」と語った。
私も当初、「車の中から謝罪とか、ふざけているのか！」と思いました。確かに賛否両論を生むと思いますが、何となく思うのは河村氏は門前払いされたのではないかと思います。トヨタにしてみれば自分のところの社員が表敬訪問したにも関わらずコケにされたわけですから、豊田社長が会ってやるわけもない。
問題は組織委員会にまで波及します。
問題発生を予期？五輪組織委が「メダルは食用ではない」公式見解ツイート（デイリースポーツ） - Yahoo!ニュース
大会序盤だった２６日の英語のツイートで「公式見解として、メダルは食用ではありません！」と、大会でメダルを獲得した海外の選手がメダルを噛んでいる写真とともに投稿。今大会のメダルについて「私たちのメダルは日本国民から寄贈された電子機器をリサイクルした素材で作られています」と説明し、「だからそれらを噛む必要はありません。ただ、我々はあなたがまだそうすることを知っている」と、呟いていた。このツイートは各国メディアにも取り上げられ、話題に。
海外ニュースでも取り上げられます。まずはＮＢＣ。
Japanese mayor sparks outrage by biting Olympian's gold medal
TOKYO — A Japanese mayor apologized Thursday after having his head bitten off on social media for chomping down on the gold medal of a hometown Olympic hero in spite of Covid-19 concerns.
Nagoya Mayor Takashi Kawamura outraged his Covid-aware compatriots by taking off his mask and bringing the medal of victorious softball pitcher Miu Goto to his mouth as the cameras were rolling. And all while standing in front of a sign that warns people to wash their hands and practice social distancing to prevent the virus from spreading.
そしてＮＹタイムズ紙。
Mayor Takashi Kawamura of Nagoya apologized after biting the gold medal of Miu Goto, a member of the Japanese national softball team, during a ceremony on Wednesday as he stood in front of a backdrop promoting coronavirus safety precautions. He was immediately pilloried on social media, where some Olympians said they would be furious if it happened to them. Others just thought it was gross.
Toyota expressed its displeasure in a statement, saying Mr. Kawamura “did not pay respect and honor to the athlete, nor had consideration to prevention of infection.” (Goto also plays for the company’s corporate team.)
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そしてイギリスのインディペンデント紙。
The mayor of Japanese city Nagoya has faced backlash after biting down on the gold medal of an Olympic athlete, prompting him to issue an apology.
Takashi Kawamura pulled down his mask and went to take a pantomime bite from Miu Goto’s medal on Thursday at an event to celebrate the softball champion, Reuters reported.
もう謝るしかない。
河村市長がJOC山下会長に電話で謝罪（共同通信） - Yahoo!ニュース
しかし、どうやら彼には「噛み癖」があることが分かったようです。
問題の行動は、新型コロナの感染拡大が続いていた４月９日に起きた。金しゃちに触れられる特別展覧の開会式に出席した河村氏は、関係者が大勢残った会場で雄しゃちに接近、着けていたマスクを外して前傾姿勢で鼻先に口を近づけた。
一般客にはマスクを着けて手指消毒した上で、雄の鼻先の一部だけを触るよう求めていたが、河村氏は他の部分を手でつかみ、口を大きく開けてかじりつくようなパフォーマンスをした。
要するに彼は、カメラやマスコミを前にすると、どうやらパフォーマンスをしないと気が済まないようです。立場とかそういう前後関係は一切考えずに、その場さえ楽しく盛り上がればいいという思考の持ち主のようですね。ですから、あまり首長のような責任ある立場には向いてい無さそうです。酔っ払いの集まりくらいでしょうか、彼に似合うのは。
もっともマスコミにも大きな責任があると思いますよ。実際、噛みついたこの時も、記者たちと思われる人の笑い声が聞こえる。「空気」を読んだのか誰も咎める者がいない。このようなことが重なり、プレス慣れした河村をやんややんやと持ち上げて、この手の愚行を繰り返しても批判すらしていない。だからこそ、しゃちほこにかぶりついた時にも問題があったのにスルーした。だから今回のメダル齧りつき問題はその延長線上にあると思います。マスコミ各社は反省をしていただきたいです。
ただ、気持ちは分かるのですが、名古屋市役所に抗議の電話がなかり入っているようです。もちろん名古屋市民が選んだ市長ですから自業自得と言ってしまえばそれまでですが、やはり市の行政がその対応でストップしてしまうのは、多くの市民のためにはならないと思うので止めた方が良さそうです。ここで場の空気を読んで、河村氏が辞任するのが一番丸く収まるのではないかと思います。これだけ世界でも注目されたのですからもう十分に「役割」は果たしたのではないでしょうか。お疲れさま。
もっとも、これだけ叩かれていますから、これからもこの件に関する詳報は次々と入ってくるのでしょうね。面倒なので追記はしませんが。
