学校というのは文化祭、体育祭、球技大会などの行事が行われます。これらの行事は学習指導要領において「特別活動」として位置づけられています。ですから生徒にとってはイベントですが、教師の側にとってはあくまで法令に準じた教育活動の一環であるという認識をもつべきものだと考えています。そして「学校行事」の目標は次のように位置づけられています。
1 目標
全校又は学年の生徒で協力し,よりよい学校生活を築くための体験的な活動を通して,集団への所属感や連帯感を深め,公共の精神を養いながら,第1の目標に掲げる資質・能力を育成することを目指す。
繰り返しますが、学校で行われるイベントは全て「教育活動」、つまり児童生徒を成長させるための活動の一つということです。活動を通して児童生徒が成長することがゴールです。
そのためにアイス、ジュース、お菓子は必要でしょうか。頑張った生徒にこのような「ゴホウビ」は要りますか?
生徒たちにしてみれば、一生懸命頑張って、「頑張ったね~!」と言って担任がアイス(等)をくれたら、そりゃあ狂喜乱舞でしょう。担任の株は一気に上昇します。
そして、たぶん私はケチな人間なのだと思います。しかしこれはケチだとかそういう次元の話では勿論ありません。あくまで教育観の問題です。
無論、私はそういうことをする先生を非難するつもりはありません、真っ当な教育観を持ち合わせているのなら、そして後始末をきちっとやってくださるなら、ですが。
しかし私には
- 動物園等で演技を成功させて餌をもらっている動物
- 学校で行事を一生懸命に取り組んでアイス(等)をもらっている生徒
が同じ扱いに見えるんですよね。
そして、えs…ではなくアイス(等)を与えたら、当然ですが生徒たちは次も期待します。「次」というのは次の行事ということだけではなく、クラス替えをした後の「次の担任」にも、です。これが上述の後始末の意味です。
どうせやるなら徹底的にやって欲しいですね。行事ごとに、頑張ったごとにゴホウビをあげたらいいと思います。
始業式、ちゃんと気をつけのままで立っていられて頑張ったね!
中間テスト、休まずに来て頑張ったね!
今日も6時間の授業、頑張ったね!
文化祭、頑張ったね!
1年間、学校に来て頑張ったね!
etc.全部あげてください。そこまでしたら、こんな記事は戯言と切り捨ててもらって結構です。
教師の仕事は児童生徒を悦ばせることではありません。人間としての成長を支えることです。そんなことも分からずにゴホウビを与え続けているのならば、子どもに媚びを売っていると言われても仕方がないのではないでしょうか。そしてそんな教師がプロフェッショナルと言えるのでしょうか。