何故私が指導者資格を取得したか

数年前に合格 という記事を書きました。これは公認バドミントン指導者資格を取った時のものです。そもそも何故こんなマイナーな資格を取るに至ったかを書いてみようと思いました。

 

私は公立高校で働いていますが、超氷河期世代(ロストジェネレーション)なのもあり、教員採用試験になかなか合格できずにいました。今とは違い「お前の代わりなんていくらでもいる」という教育委員会の態度でしたから、言われた仕事は断れませんでした。

高校なので部活動というものがありますが、非正規の教員(自治体によって常勤講師だったり臨時的任用教諭だったりします。まぁ奴隷的扱いなのは同じです。)は保健体育かよほど特技が無い限り、誰もやりたがらない部活か、なり手がいない部活の穴埋めをするのが常でした。私も例外ではありませんでした。その「やらされた」部活の一つがバドミントンでした。

 

なかなか試験に受からない私は、そうした奴隷労働を甘受しなければならなかったので、せめて部活だけは選ぶ権利が欲しいと思った、これが理由の一つです。

 

もう一つは効率的な教え方が必要だと思ったことです。上記のやらされ顧問だった頃、それでも自分にもできるのではと思って、地域のサークルに通いだしました。そのサークルには初心者・上級者が混在していましたが、私はとある上級者に教わることになりました。というか、勝手に手ほどきをしてくれました。

しかし、その教え方が問題でした。例えば素振り一つ取ってもそうなのですが、極めて非効率的なのです。オーバーヘッド・ストロークという振り方がありますが、練習方法として高い所にタオルを吊るして打つとか、タオルをラケットの代わりに振ると正しく振れていればタオルが垂直になるとか、…とにかく意味不明なのです。

 

そもそも、大の大人が家の前とか庭でラケットでの素振りをやるワケないし、タオルが垂直の話に至っては誰がそれを確認するのか?って話なわけです。彼ら(上級者・経験者)の教え方は正しいのかも知れませんが、前提が毎日練習する中高生と同じことなのです。つまり週に数回しか時間が取れない大人に対する方法ではないということです。

 

驚くことに、いくつかの学校で顧問をして分かったことは、いわゆる伝統校と言われる学校では同じような頭の悪い非効率的な教えられ方を先輩から後輩に受け継いでいたのです。理屈さえ分かれば実はもう少しマシな教え方があるのではないか、と考えて勉強することにしたわけです。

 

結果として、やはり私が教わった方法は非効率的であることが分かってしまいました。体の動かし方やシャトルへの力の伝え方さえ理解してしまえば、かなり短時間で基礎をクリアすることができると分かりました。意味も理屈も分からずただ繰り返すだけというのは完全に根性論的発想の練習方法で無駄が多いということです。

 

講習会で教わったことを元に学校で教えたり、あるいは一般の方に個別指導すると、特に個別の方は短時間…一通りのストロークを教えるのに2時間程度…で教え終わることができるようになりました。本当に勉強って大事だと思いますね。